能「天鼓(てんこ)弄鼓之舞」

■あらすじ

不思議な鼓をもつ少年・天鼓は、鼓を召し上げようとする皇帝の命令を拒んだために殺害され、呂水という川に沈められてしまう。ところが、召し上げた鼓は天鼓との別れを悲しむゆえか一向に鳴らない。皇帝は勅使に命じて天鼓の父・王伯を召し出すと、鼓を打つよう命じる。鼓を見ては息子との別れを嘆き、悲しみに生きる身の苦しさを思う王伯であったが、やがて決心し、わが子の形見の鼓を打つ。すると世にも妙なる音色が響き、その様子に心打たれた皇帝は天鼓を弔おうと心に決める。 やがて皇帝一行が呂水のほとりで音楽法要を手向けていると、天鼓の幽霊が現れた。天鼓は鼓を軽やかに打ち鳴らすと、自分に手向けられた音楽の興に乗じ、満天の星空の下で舞い戯れるのでした。